屋根の断熱は、発泡プラスチック断熱材を野地板の外側に施工する屋根外張断熱と、小屋裏桁上でフラットな下地を設ける桁上断熱があります。屋根の形状や小 屋裏利用の有無などを考慮し選択します。特に、桁上断熱は作業の安全面、深い軒先、瓦等の重量屋根材対策に有効です。厚い断熱を必要とする寒冷地では、無 落雪屋根を施工する場合に適しています。
(1)桁上断熱の施工例(図7参照)
桁上断熱の標準的な手順と注意点は以下の通りです。
- 合板等の面材を施工するために、軒桁の上面と小屋梁の上面を揃え適宜受け材を設置します。
- 小屋梁の上面に合板等の面材を施工し、継ぎ目を気密テープ等の気密補助材で目張りするか、合板等の上面に防湿気密フィルムを連続施工します。
小屋束との取り合いは、気密テープ等で処理します。
- 発泡プラスチック断熱材は、継ぎ目等に隙間が生じないように敷き込みます。
- 小屋裏の防露、排熱のため、小屋裏換気口を設けます。
(2)屋根外張断熱施工例(図8参照)
屋根外張断熱の標準的な手順と注意点は以下のとおりです。
- 屋根たる木(地たる木)の上面に、気密層のために野地板を施工します。
- 野地板の上面に、防湿気密フィルムを連続施工します。
- 野地板の継ぎ目を、気密テープ等の気密補助材で目張りします。
- 発泡プラスチック断熱材の継ぎ目を、気密テープ等の気密補助材で目張りします。
- 発泡プラスチック断熱材は、野地板上面に隙間が生じないように敷き込みます。
- 発泡プラスチック断熱材の上面に、通気たる木を施工します。外壁の通気層は屋根の通気層を経由して棟換気とつながります。
- 通気たる木の上面に、防水層のための野地板を施工し、通常の屋根面を構成します。