PIC標準工法

各取り合い部

(1)断熱材各部分の取り合い
 外張断熱工法各部位の断熱材取り合いについて、標準的な施工例を以下に紹介します。

 1)外壁と屋根の取り合い部

  • 外壁の断熱材は、屋根断熱材と連続させるよう立ち上げるか、隙間を現場発泡ウレタンで処理し断熱層の連続性を確保します。
  • 3(2)のようにいろいろな気密の施工法があるので、気密材と気密補助材を使用して気密層の連続性を確保します。
外壁と屋根の取り合い部 外壁と屋根の取り合い部

2)外壁と基礎の取り合い部(図10参照)
 断熱及び気密欠損が生じないよう、基礎天端と土台の間に専用の土台気密材を用いるか、現場発泡ウレタン、気密テープ等の気密補助材を用いて断熱気密を連続します。

外壁と基礎の取り合い部

3)外壁と下屋の取り合い部(図11参照)

  • 下屋の断熱材は、外壁の断熱材と隙間が生じないように突きつけ、気密テープ等の気密補助材を用いるか、隙間がある場合は現場発泡ウレタン等で処理し断熱気密層の連続性を確保します。
  • 外壁と下屋の取り合い部は断熱・気密・防水の納まり複雑になりますので、事前に手順を十分検討の上、施工を進めてください。
外壁と下屋の取り合い部

(2)開口部まわりの納まり

 開口部まわりは、雨仕舞と気密性に配慮した適切な納まりと入念な施工が必要です。躯体内部に水分が滞留すると構造体の腐朽を促進し、耐久性を著しく損なう原因となりますので、漏水防止対策に十分配慮すべきです。
 納まりと施工の要点は以下の通りです(図12及び図13参照)。

  • サッシ枠を取付ける部分の柱に予め断熱材の厚さに相当する受け材(木材)を取付けます。窓台とまぐさにも同様に受け材を取り付けるか、または見切り寸法を「柱寸法+断熱材厚さ」とします。サッシは、半外付又は外付サッシを用い、外装材と通気層の厚さ分を見切れる寸法のサッシ枠を選択します。
  • 気密防水処理の手順は以下の通りです。

@サッシ下枠の窓台に先張防水シートを貼ります。先張防水シートの切断幅は300mm以上とし、垂れ下がり幅200mm以上、窓上の覆い100mm以上、左右の立ち上げ100mm以上を確保します。
Aサッシ枠を取付けた後、両面粘着タイプの気密防水テープを、サッシ枠の釘打ちフィンまわりに施工します。テープの幅は75mm以上が望ましく、サッシ枠下部→左右たて部→上部の順に施工します。
Bたて部と上部は、気密防水テープに透湿防水シートをおさえつけ、しわが生じないように張り合わせます。
C下部は、先張防水シートの下に、透湿防水シートをもぐり込ませます。
D樹脂サッシで釘打ちフィンが厚い場合は、胴縁と釘打ちフィンの位置をずらすか、釘打ちフィンの厚さ分だけ胴縁を欠き込みます。

開口部まわりの納まり 開口部まわりの納まり
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